宥和外交と兵法 2013 12 1

2013年11月28日の産経ニュース電子版には、このようなニュースがありました。

(宮家邦彦のWorld Watch)

対中国、対イラン 歴史が語る「宥和外交」の限界

 もちろん、宥和(ゆうわ)外交にも利点はある。
相手に一定の「善意」があれば、
こちら側の宥和的態度により相手方の譲歩を引き出すことも可能だろう。
 しかし、万一、先方に「善意」がない場合、
宥和外交は致命的な失敗につながる。
 1938年のミュンヘン会議当時、
欧州の人々は平和を確信し、対ドイツ宥和策が失敗することなど考えもしなかった。
私たちは、これと同じ過ちを繰り返してはならない。
(引用、以上)
 宥和外交は、兵法には通用しません。
兵法で考えれば、つまり兵法の使い手からすれば、
「押せば相手は引く」と思ってしまいます。
 宥和外交は、優等生で紳士のように見えますが、
兵法の使い手からみれば、
相手は、逃げ腰、あるいは譲歩を重ねると見えます。

「ニューズウィーク日本版 2013 11 12」には、このような記事がありました。

 中国の外交政策に関して、
「孫子」という兵法は、中国を誤った方向に導いていると、
戦略国際問題研究所の軍事アナリストである、
エドワード・ルトワックは言う。
 その著書によれば、この兵法のせいで、
中国は、近隣諸国に威張り散らし、
敵を欺く手法に頼りすぎて、
近隣諸国から反感を買っているという。
 中国の指導者たちは、
兵法を成功の秘訣の宝庫と見ているが、
兵法書が説く多くの策略や画策は、
同じ文化の中なら効果があるが、
異文化間では、うまく機能しない。
 孫子の兵法は、中国の内政には、間違いなく有益だが、
21世紀の国際社会では、逆効果である。
 世界の大国になるには、
近隣諸国との友好関係が欠かせない。
 それを理解していれば、
中国は、「アメリカは、どうやっているのか」と考えるはずだ。
 アメリカは、力で優位に立つからこそ、
近隣国に譲歩し、優位を感じさせないように振舞ってきた。
 NATO(北大西洋条約機構)の60年の歴史を
振り返ってみるといい。
 アメリカは、小国ルクセンブルクに譲歩していた。
アメリカは、NATOを結束させるため、
力と権限に、ものをいわせるのではなく、
その逆のことをした。
(引用、以上)




























































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